〔被災体験を持つ元建設省職員の方の所見(座談会)〕 粗朶沈床を沈め始めているところである。船に乗っている石は、粗朶沈床上に投げ込み、沈めるためのものである。なお、長島町白鶏で用いた石は、三河の幡豆から調達したものである。 体験伊勢湾台風(建設省中部地方整備局、昭和60年)p144に粗朶沈床についての解説がある。それによると、粗朶沈床とは、粗朶で縦横1mの格子を造り、複数の格子をつなぎ、長さ10~20m、幅6~10m、厚さ0.6~0.9mに組み上げたものとされている。これを堤防の破堤口に運び、石を投じて一気に沈める。上から土砂をかけると、粗朶沈床が砂の流失を防ぎ、水深を浅くすることとなる。 なお、この作業を繰り返し、水面まで水深が浅くなってから、土のうを積み上げ、水切りするとされている。