〔被災体験を持つ元建設省職員の方の所見(座談会)〕 揖斐川左岸0.0k付近の破堤箇所である。後に、長島町白鶏で最後に仮締切りされた破堤箇所の被災直後の状況である。破堤箇所の水深は数mと深く、仮締切りに非常に苦労した。松蔭海岸堤防も見えており、松蔭海岸堤防と揖斐川左岸河口部の角に目印となる特徴的な「二本松」と呼ばれていた木が見えることから位置は間違いない。 体験伊勢湾台風(建設省中部地方整備局、昭和60年)p189~200に本箇所の仮締切工事について記載が見られ、その中で、「局所的には水深8mの深掘れが生じていた」とされている。当時海岸堤防の裏は土堤であり、越波で土堤が洗われ、さらに本箇所には水路や養魚の池もあったため、このような深掘れが生じたものと推察されている。