「防災シンポジウム」を開催 ~長良川9.12豪雨災害(安八豪雨)から40年~

 9月12日(月)、岐阜県安八郡安八町にある安八町中央公民館において、「防災シンポジウム」を開催しました。このシンポジウムは、1976年(昭和51年)の「9.12豪雨災害」から今年で40年が経ち、改めて当時の浸水被害や避難・復旧活動の状況、その後の防災への取り組みを振り返り、更に昨年に起きた鬼怒川の水害など、近年の全国における水害も踏まえた上で、避難行動を中心とした今後の防災のあり方について討議することを目的とするもので、⼀般の方や中部圏の企業の方、行政の防災担当者など約400名の方に参加いただきました。

【開催概要】

●日 時: 平成28年9月12日(月) 13:30~16:30
●主 催: 国土交通省木曽川上流河川事務所
●共 催: 岐阜県、安八町、岐阜地方気象台
●後 援: 一般社団法人中部地域づくり協会

【プログラム】

プロローグ
 9.12水害を振り返る
 ■映像上映
 ■被災体験談の発表
基調講演①
 「天気予報の活用術 ~大雨から身を守るために~ 」
 ■気象キャスター 菊池真以
基調講演②
 「水災害への備えのあり方 ~河川整備や広域連携とその限界~ 」
 ■名古屋大学名誉教授 辻本哲郎
パネルディスカッション
 「災害に強い地域づくりに向けて」
 ■パネリスト
  菊池真以(気象キャスター)   堀正  (安八町長)
  辻本哲郎(名古屋大学名誉教授) 大澤健治(木曽川上流河川事務所長)
 ■コーディネーター
  野村克之(岐阜新聞社西濃支社長)


会場受付の様子

リレーパネル展の様子

ミナモによる会場案内
 

 シンポジウム開会にあたり最初に、木曽川上流河川事務所 大澤健治所長より、本シンポジウムが災害に強いまちづくりの⼀助となることを願う、主催者挨拶がありました。9.12豪雨災害を掘り返る 映像上映をした後に、被災体験をされた当時安八町長でした丹羽正治氏と、当時岐阜市島水防団団員で現在団長の森岡公治氏のお二方に、体験談の発表をしていただきました。生々しい体験談や40年前に被災した安八町の様子、など貴重なお話をいただきました。

「被災体験談の発表」

丹羽正治(元町長)

森岡公治(島水防団長)

 続いて、気象キャスター 菊池真以氏と名古屋大学名誉教授 辻本哲郎氏に基調講演をいただきました。菊池真以氏は「天気予報の活用術」と題し、クイズを交えたテレビなどのメディアに使われる気象用語の説明や、リアルタイムに地域毎の細かい雨量情報を得られる高解像度降水ナウキャスト等の紹介、日頃から防災を意識する事の重要性、気象情報に触れることで災害から身を守るための方法などを語られました。次に「水災害への備えのあり方」について辻本哲郎氏より、9.12豪雨の雨量や長良川の水位など出水状況の説明、その後の昭和57年度までに行われた、河川激甚災害対策特別緊急事業(通称「激特事業」)について、さらに河川整備計画の策定、破堤による甚大な被害を防止する河川整備が行われていることなどを最近の社会情勢を踏まえながら語られました。

「基調講演」

菊池真以(気象キャスター)

辻本哲郎(名古屋大学名誉教授)

 基調講演をいただいたお二方に掘正(安八町長)、大澤健治(木曽川上流河川事務所長)をパネリストに加え、コーディネーターとして野村克之(岐阜新聞社西濃支社長)をお招きし、「防災に強い地域づくりに向けて」をテーマにパネルディスカッションをしました。気象と河川情報の活用や普段から災害に対する想像力の重要性、地域における防災力の向上など、今後の防災のあり方について話し合いが行われました。