第6編 道路編
第16章 道路修繕

第1節 適用
  道路土工は「特仕」第1編第4章第4節道路土工、工場製品輸送工及び仮設工は「特仕」第1編第3章第8節工場製品輸送工及び第10節仮設工の規定によるものとする。

第3節 工場製作工
特仕16-3-2材料
  材料については、「特仕」第6編特仕4-3-2材料の規定によるものとする。

 特仕16-3-3 床版補強材製作工
  床版補強材製作工の施工については、「特仕」第6編特仕4-3-3桁製作工の規定によるものとする。

第4節 舗装修繕工
 特仕16-4-1 一般事項
  1. 請負者は、舗設作業中に生ずる段差を下記により処理しなければならない。なお、舗設段差の摺付に使用した合材を、次回の舗設に先だって取り除き、清掃してからでなければ次の舗装を行ってはならない。
(1) 縦断段差
縦断方向の段差は一般交通の用に供さなければならない場合には、舗設中の合材により1:20以上の勾配で摺付けなければならない。
また、縦断方向の摺付は、本線舗装と同時施工するものとし、締固めも同機種で行わなければならない。
(2) 横断段差
横断方向の段差は、生じないように施工するものとし、やむ得ず横断方向に段差を付した状態で、一般交通の用に供さなければならない場合には、舗設中の合材により、1:5程度で摺付けなければならない。
(3) 支道摺付・路肩摺付
支道摺付は、本線舗装と平行して行うものとし、本線舗装と支道の段差をつけないよう施工しなければならない。やむを得ず段差が生じる場合の摺付勾配は1:10程度とし適切な保安施設を設置しなければならない。
  2. 請負者は、本線舗装の起終点摺付については、アスファルト合材の飛散等のないように、密着させなければならない。

 特仕16-4-3 路面切削工
  1. 請負者は、施工前に本条2項又は自動横断測定法により現地の計測を行い、切削厚さが設計平均深さになるよう計画高を決め、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
 なお、平均厚さに±5o以上の変更が生じた場合は設計図書に関して監督職員に協議しなければならない。
  2. 現地測量による方法
(1) 横断方向の測定箇所は2車線道路で9点、4車線道路で片側9点(全体18点)とする。
(2) 平均厚の計算は、「数量算出要領」に準ずるものとする。
(3) 切削深さの管理は、2車線道路で5点法、4車線道路で9点法により行わなければならない。

 特仕16-4-4 舗装打換え工
  1. 請負者は、舗装打換部の既設アスファルト版については、コンクリートカッタで切断したのち、損傷部分を取りこわさなければならない。打換にあたっては、舗装版路盤に悪影響のないよう施工しなければならない。
  2. 請負者は、路盤を入替えるときには、隣接する路盤をゆるめないよう施工しなければならない。
  3. 請負者は、一層の仕上り厚さが7p以下になるよう舗設しなければならない。
  4. 請負者は、ローラ等により品質を確保するための締固め度が得られるよう、締固めなければならない。

 特仕16-4-5 切削オーバーレイ工
  1. 請負者は、現道オーバーレイの施工前に現道部分の縦断・横断測量を実地し、施工法(舗装構成区分・舗装構成毎の厚さ及び交通処理計画)・縦横断計画高等を立案し監督職員の確認を得なければならない。
  2. オーバーレイの厚さの算定方法は、「数量算出要領」によるものとする。
  3. 請負者は、施工面を整備した後、「特仕」第1編第3章第6節一般舗装工のうち該当する項目の規定に従って各層の舗設を行わなければならない。
  4. オーバーレイの最小厚は4p以上とする。オーバーレイ各層で最小厚4pを確保できない箇所は、当該箇所の上層と同一合材で同時舗設するものとする。請負者は、表層において設計図書に示す厚さが確保できない場合、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。

 特仕16-4-7 路上再生路盤工
  1. 気象条件は、「特仕」第1編特仕3-6-5アスファルト舗装工によるものとする。
  2. 養生については、「特仕」第1編特仕3-6-5アスファルト舗装工により施工するものとする。

 特仕16-4-8 路上表層再生工
  気象条件は、「特仕」第1編特仕3-6-5アスファルト舗装工によるものとする。

第5節 道路構造物修繕工
 特仕16-5-2 作業土工(床堀り・埋戻し)
   作業土工の施工については、「特仕」第1編特仕3-3-3 作業土工の規定によるものとする。

 特仕16-5-3 排水構造物修繕工
  1. 排水構造物修繕工のうち、L型街渠、L0型街渠、プレキャストU型側溝、側溝蓋、管(函)渠の施工については、「特仕」第6編特仕2-4-3側溝工の規定によるものとする。
  2. 排水構造物修繕工のうち、街渠桝、マンホール、蓋の施工については、「特仕」第6編特仕2-4-5街渠桝・マンホール工の規定によるものとする。

 特仕16-5-6道路付属施設修繕工
  1. 道路付属施設修繕工のうち、溶融式区画線、ペイント式区画線、高視認性区画線、区画線消去の施工については、「特仕」第1編特仕3-3-12区画線工の規定によるものとする。
  2. 道路付属施設修繕工のうち、境界杭、境界鋲の施工については、「特仕」第6編特仕2-7-5境界工の規定によるものとする。
  3. 道路付属施設修繕工のうち、ケーブル配管、ハンドホールの施工については「特仕」第6編特仕2-7-10ケーブル配管工の規定によるものとする。

 特仕16-5-9 法面修繕工
  1. 法面修繕工のうち、モルタル吹付、コンクリート吹付の施工については「特仕」第1編特仕3-3-6吹付工の規定によるものとする。
  2. 法面修繕工のうち、種子吹付、客土吹付、厚層基材吹付、張芝、筋芝、市松芝、植生ネット、種子帯、植生穴の施工については、「特仕」第1編特仕3-3-7植生工の規定によるものとする。
  3. 法面修繕工のうち、落石防護柵の施工については、「特仕」第6編特仕1-9-5落石防護柵工の規定によるものとする。

第6節橋 梁修繕工
 特仕16-6-3 床版補強工(鋼板接着工法)
  1. 前処理
(1) 請負者は、フランジを装着するコンクリート面に、ディスクサンダー等を用いて、表面のレイタンスや付着している汚物等を除去しなければならない。
また、コンクリート面が濡れている場合には、布等でふき取って乾燥させなければならない。
(2) 請負者はコンクリート表面に豆板等の不良部分がある場合には取除き、パテ用エポキシ系樹脂で埋めなければならない。
  2. 増桁の設置
(1) 請負者は、シール工施工前に樹脂の注入厚さを測定し、監督職員の確認を得なければならない。
なお、注入厚さは、設計図書によるものとするが、現地の状況により0.1o単位で変更することができる。
ただし、特殊な横断勾配等の箇所については、設計図書に関して監督職員に協議しなけれならない。
(2) 請負者はフランジ周りのシール及び注入パイプ取付けにあたっては、シール用エポキシ系樹脂でシールし、注入圧力に対して十分な強度を有し、かつ、注入樹脂が漏れないようにしなければならない。
  3. 樹脂の注入
(1) 請負者は、設計図書に示す配合比で混合しなければならない。1回の混合量は可使時間内の使用量以下とし、可使時間を超えた樹脂は使用してはならない。
(2) 請負者は、それぞれの樹脂の主剤と硬化剤を、ハンドミキサー等の機械器具を使用して完全に混合しなければならない。
(3) 施工時の気温は5℃〜30℃とするが、請負者はこの範囲以外で施工する場合には、気温に対する温度養生等を事前に監督職員と協議しなければならない。
(4) 請負者は、フランジ周り、注入パイプ取付部材等のシール剤の硬化を確認後、注入ポンプにて低い箇所の注入パイプよりゆっくり圧入しなければならない。
おのおのの排出パイプから樹脂排出を確認して、順次パイプを閉じ、チェックハンマー等で注入が確認されるまで圧入を続け、最後の排出パイプからの排出樹脂を確認して、パイプを閉じなければならない。
(5) 請負者は、注入を完了したフランジについては仕上げ塗装前にチェックハンマー等で注入の確認を行い、注入後の確認書(チェックリスト)を監督職員に提出しなければならない。
なお、注入不良箇所が認められたら再注入を行い、監督職員に報告しなければならない。
  4. 既設材の取外し・再取付け
(1) 請負者は、縦桁取付けに先立ち、取付けに支障となる部材を調査し、監督職員に報告をしなければならない。なお、取外しの数量については契約変更の対象とする。
(2) 請負者は、取外し部材の再取付け方法について、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。また、取外し欠損部の塗装を行わなければならない。
  5. 注入材等の規格については、「特仕」第1編特仕2-15-1エポキシ系樹脂接着剤の規格の規定によるものとする。
  6. 品質管理
(1) 請負者は、施工中1日1回注入用エポキシ系樹脂を、紙コップ等に採取し硬化状態を観察しなければならない。
(2) 請負者は施工中1回/月現場採取した供試体で試験を行い、規格値と比較してその性能を確認しなければならない。
試験項目:比重(硬化物)・圧縮降伏強さ・曲げ強さ・引張強さ・圧縮弾性率
(3) バックアップ材、シール用エポキシ系樹脂については、ミルシートの提出のみとする。
  7. その他
 請負者は、本工事に伴い防護工事が必要となった場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。

 特仕16-6-4 床版補強工(増桁架設工法)
  床版補強工(増桁架設工法)の施工にあたっては、「特仕」第6編16-6-3床版補強工(鋼板接着工法)の規定によるものとする。

 特仕16-6-5 床版増厚補強工
  1. 請負者は、舗装版撤去の施工については、「特仕」第6編特仕16-4-3路面切削工の規定によるものとする。
  2. 床版防水膜、橋面舗装の施工については、「特仕」第6編第2章第3節舗装工の規定によるものとする。

 特仕16-6-6 床版取替工
  1. 請負者は、舗装版撤去の施工については、「特仕」第6編特仕16-4-3路面切削工の規定によるものとする。
  2. 請負者は、増桁架設の施工については、「特仕」第6編「特仕」16-6-4床版補強工(増桁架設工法)の規定によるものとする。
  3. 床版防水膜、橋面舗装の施工については、「特仕」第6編第2章第3節舗装工の規定によるものとする。

 特仕16-6-8 伸縮継手修繕工
  1. 樹脂モルタル及び樹脂コンクリートの品質管理試験の基準は、下記のとおりとする。
(1) 樹脂モルタル及び樹脂の試験回数(圧縮強度試験)については、配合1種類ごと5uにつき1回3ヶの割合で圧縮強度試験を行うこととする。
(2) 品質規格(圧縮強度)は、表16−1とする。
   
  表16−1樹脂モルタル及び樹脂コンクリートの品質規格


 特仕16-6-18 橋脚鋼板巻立て工(無収縮モルタル)
  1. 無収縮モルタルおよびエポキシ系樹脂は、表16−2,3、シールおよびパテ用エポキシ樹脂については、特仕1編2-15-1 表2−18の試験項目と規格値に適合することを証明する試験成績表を1ロット毎に提出しなければならない。
     
    表16−2無収縮モルタル(プレミックスタイプ)の試験項目と規格

項目 規格値 備考
コンシステンシー (流下時間) セメント系:8±2秒 J14ロート試験
ブリージング 練り混ぜ2時間後でブリージン グがないものとする。 JISA1123
凝結時間 始発:1時間以上(500psi) 終結:10時間以内(4000psi) ASTMC403 米国工兵隊規格
膨張収縮率 材令7日で収縮なし 土木学会「膨張を用いた充てんモルタルの施工要領」
圧縮強度 材令3日:25N/o以上 材令28日:44N/o以上 JISA1108 供試体径5p×高さ10p
※「土木学会」膨張コンクリート設計施工指針付録書
     
    表16− 定着アンカー注入用エポキシ系樹脂の試験項目と規格

試験項目 試験方法 試験条件 単位 規格値
比重
可使時間
粘度
圧縮降伏強度
曲げ強度
引張強度
圧縮弾性係数
引張せん断強度
衝撃強度
硬度
JIS K 7112
温度上昇法
JIS K 6833
JIS K 7208
JIS K 7203
JIS K 7113
JIS K 7208
JIS K 6850
JIS K 7111
JIS K 7215
20℃7日間
20℃

20℃7日間







mPa・s
N/o




KJ/u
HDD
1.2±0.2
30以上
5,000以下
50以上
40〃
20〃
(1.0〜8.0)103以上
10以上
3.0〃
80〃
     
  2. 塗料の種類、各層毎の標準使用量および標準膜厚は表16−のとおりとする。
     
    表16− 補強鋼板外面の標準塗装仕様(地上部)


(上記表はC−3塗装系の場合を示す。)
(溶接部とは、現場溶接部両側10p幅とする。)
     
    表16− 
無収縮モルタルおよびコンクリートに接する鋼材の標準塗装仕様



*補強鋼板の溶接部は、コンクリートに接する外面を指す。
     
  3. 塗料の色調は淡彩色とする。なお、色彩の決定にあたっては、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
  4. 根巻きコンクリートおよび中詰コンクリートに使用するシーリング材は、原則としてシリコーン系の2成分形シーリング材を使用し、表16−の試験項目と規格値に適合することを証明する試験成績表を監督職員に提出しなければならない。
     
    表16− シーリング材の試験項目と規格

項目 単位 規格 摘要
硬化前 押出し性
可使時間
タックフリー

時間
3〜8
1〜5
1〜12
JIS A 5758

硬化後 比重
50%引張応力
最大引張応力
伸び
加熱減量

N/‡


1.30±0.10
5〜20
30〜150
600〜1200
1〜3
JIS K 7112(硬化物)
JIS A 5758


耐久性区分 10030(9030) JIS A 5758
硬さ 10〜20 JIS K 6301
     
  5. 請負者は、無収縮モルタルの現場管理項目と試験頻度は、表16−によるものとし、規格値と比較してその性能に問題のないことを確認しなければならない。
     
    表16−無収縮モルタルの現場管理試験

項目 試験頻度
コンシステンシー
(流下時間)
1日に2回(午前、午後各1回)
圧縮強度試験用供試体作成時
練り上がり温度
膨張収縮率 無収縮モルタル充填開始前に1回
(3個/回)
圧縮強度 1mに1回または1日に1回
材令3日:3個/回
材令28日:3個/回
     
  6. 請負者は、定着アンカーの注入用エポキシ系樹脂の現場管理は、以下の試験項目、検査頻度により行わなければならない。
(1) 施工中、1日1回、樹脂を紙コップに採取して、その硬化状態を観察するものとする。
(2) 上記にて硬化状態を確認するほかに、施工中1月1回、現場採取した供試体で下記の試験を行い、規格値と比較してその性能に問題のないことを確認するものとする。
試験項目:比重(硬化物)、圧縮降伏強度、曲げ強度、引張強度、圧縮弾性係数
なお、シール用エポキシ系樹脂については、注入用エポキシ系樹脂を注入する時に硬化を確認できるので省略してよい。

第7節現場塗装工
 特仕16-7-2材料
  現場塗装の材料については、「特仕」第6編特仕4-3-2材料の規定によるものとする。

第8節トンネル修繕工
 特仕16-8-2材料
  内装板に使用する材料は、設計図書によるものとし、その他の材料については、「特仕」第1編第2章材料の規定によらなければならない。

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