第6編 道路編
第6章 トンネル(NATM)

第1節 適用
  道路土工は、「特仕」第1編第4章第4節道路土工、仮設工は、「特仕」第1編第3章第10節仮設工の規定によるものとする。

第3節 トンネル掘削工
 特仕6-3-2 掘削工
  1. 請負者は、発破施工及び建設機械等に起因する騒音、振動によりその処置の必要が生じた場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
  2. 請負者は、トンネル施工中における地山変状(断層等による異常土圧、突発湧水、崩壊現象等)が著しく、請負者の責に帰さない以下のトンネルの保守に必要な措置が生じた場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
(1) 掘削に伴う地山の補強、地山の改良等
(2) 支保パターンの変更
(3) 内空断面の確保に伴う縫返し、支保工の盛り替え、切羽の鏡張り等の作業
(4) 肌落ち、崩壊防止に鋼矢板等の使用が必要になった場合
(5) 予期しない湧水、突出水に遭遇し、その排除等が必要になった場合
(6) 地質確認、湧水確認、水抜等による先進ボーリングが必要になった場合
(7) 変状に伴い根固めのコンクリート、仮巻、鉄筋補強等が必要になった場合

第4節 支保工
 特仕6-4-2 材料
  1. 吹付コンクリートの材料及び配合
(1) 請負者は、品質を確保するための急結性能をもつ急結材を選ばなければならない。
(2) 請負者は、大小粒が適度に混合している骨材を使用し、設計図書に示す強度が得られ、かつ、はね返りが少ない等、施工性のよいコンクリートが得られるよう配合を定めなければならない。
(3) 吹付コンクリートの配合、品質基準は表6−1のとおりとする。
   
  表6−1吹付コンクリートの配合(湿式)及び品質基準



注: ( )書きは参考値とする。
   
  吹付コンクリートの強度試験資料については、土木学会基準の吹付コンクリートの強度試験用供試体の作り方(案)によるものとする。
(4) 請負者は、配合を変更する必要が生じた場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
  2. 定着剤の示方配合は表6−2を標準とし、SNドライモルタル同等品以上とする。
     
    表6−2モルタル配合表

ボルトの種類 目標強度
N/mm
セメントの種類 水セメン ト比
(%)
フロー値(p)
目標参考
SNアンカー又はこれと同等品以上の場合 9.8 普通ポルトラ ンドセメント 35〜40 (19.5×19.5)
スミネジバー又はこれと同等品以上の場合 9.8 超早強セメント 40 (19.5×19.5)
     
  3. 鋼製支保工に用いる鋼材の材質はJISG3101(一般構造用圧延鋼材)2種(SS400)の規格に適合したものでなければならない。
  4. 継ぎ材(タイロット)の材質はJISG3112熱間圧延棒鋼1種(SR235)とする。
  5. 鋼製支保工に使用するさや管はJISG3444一般構造用炭素鋼鋼管2種(STK400)とする。
  6. 鋼製支保及びタイロットに使用する六角ボルトはJISB1180、六角ナットはJISB1181、座金はJISB1256によるものとする。
  7. 金網工に使用する材料はJISG3551溶接金網(めっきなし)の規格に適合するもので150o×150×φ5oとする。
  8. 金網の止めピンはφ9o鉄筋同等とする。

 特仕6-4-4 ロックボルト
  1. 請負者は、ロックボルトの定着については、全面接着式としロックボルト全体をドライモルタル接着剤で地山に固定しなければならない。
  2. 降伏点耐力の算定は次の式による。
降伏点耐力=ロックボルト降伏点強度(σy)×ネジ部等の有効断面積(As)
As=(π/4)×(d−0.93829p)2
d=おねじの外径(ねじの呼び径)(o)
p=ねじのピッチ(o)
  4. ロックボルトの穿孔深さは−50o程度を限界(管理目標値とし規格値ではない)とし、請負者は、防水シート施工時に切断等の必要がないよう施工しなければならない。
  5. 請負者は、日常の坑内観察時にロックボルト施工後の状況を観察し、異常(ナット破損、ベアリングプレート交換等)が認められた場合には、すみやかに現場測定を行い、対応を検討し設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。

 特仕6-4-5 鋼製支保工
  1. 請負者は、鋼製支保工部材の継手ボルトについては、その継手が弱点とならないよう締付けなければならない。
  2. 請負者は鋼製支保工相互間を継ぎボルト、つなぎ材等により確実に締付けなければならない。
  3. 請負者は、掘削及び鋼製支保工の建込みにあたって、鋼製支保工脚部の支持地盤を乱さないように施工しなければならない。

第5節 覆工
 特仕6-5-2 材料
  1. 防水工に使用する防水シートは、厚さ0.8o以上のビニールシート等で表6−3に示す規格に適合するものとする。
     
    表6−3防水シートの規格

項目 試験方法 規格
比重 JIS K 6773(20℃) 0.90〜0.95
引張強さ(sf/cm) 160以上
伸び(%) 600以上
引裂強さ(sf/cm) JIS K 6301(20℃) 50以上
     
  2. 透水性緩衝材は3o以上、重量は300g/u以上とする。

 特仕6-5-3 覆工コンクリート工
  請負者は、型わく及びセントルの機構については、吹上方式又は押上式装置が設備されたものを使用しなければならない。

 特仕6-5-6 トンネル防水工
  1. 請負者は、吹付コンクリートと防水シートの間に透水性を確保するようにしなければならない。防水材はビニールシートと透水性緩衝材を組合せたものとする。
  2. 請負者は、防水シートを吹付コンクリートにピン等で固定させ、また、防水シートと防水シートを漏水のないよう接合させなければならない。
ピン等の固定はアーチ部で平均5本/u、側壁部で平均3本/u程度以上とする。

第6節 インバート工
 特仕6-6-4 インバート本体工
  1. 請負者は、インバートコンクリートに横方向の目地を設けることとし、間隔については設計図書に関して監督職員の承諾を得て施工しなければならない。
  2. 請負者は、インバートコンクリートの縦方向打継目を、やむを得ず設ける場合は、中央部に1ヵ所とする。
  3. インバート盛土に、トンネルずりを使用する場合は、締固め密度を路床なみとする。請負者は、品質管理基準による現場密度の測定が不可の場合には、設計図書に関して監督職員に協議しタイヤローラ(8〜20t以上)又はブルドーザ(15t以上)で7回以上転圧を行い締固めなければならない。なお、盛土材として不適当な場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。

第8節 坑門工
 特仕6-8-3 作業土工(床堀り、埋戻し)
  作業土工の施工については、「特仕」第1編特仕3-3-3作業土工の規定によるものとする。

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