第6編 道路編
第4章 鋼橋上部

第1節 適用
  工場製品輸送工は、「特仕」第1編第3章第8節工場製品輸送工、仮設工は、「特仕」第1編第3章第10節仮設工、道路土工は、「特仕」第1編第4章第4節道路土工の規定によるものとする。

第3節 工場製作工
 特仕4-3-2 材料
  1. 請負者は、鋼板について、あらかじめ板取表を監督職員に提出しなければならない。
  2. 請負者は、機械試験について、試験する箇所を監督職員に確認を受けなければならない。
また、機械試験について、JISの試験方法により引っ張り・曲げ及びシャルピー衝撃試験を行い、その結果を監督職員に提出しなければならない。
  3. 請負者は、支承、排水桝、高力ボルトについて、使用材料の機械試験成績表及び施工管理写真を監督職員に提出しなければならない。
  4. 塗料については、「特仕」第1章特仕2-13-1塗料の規定によらなければならない。

 特仕4-3-3 桁製作工
  1. 仮組立て検査
請負者は、あらかじめ仮組立て方法、計測方法について、直接仮組立てを行う場合又は、仮組立てを他の方法によって仮組立てと同等の精度の検査が行える場合のいずれかについて施工計画書に記載し、監督職員に提出しなければならない。
また、直接仮組立てを行う場合は、発注者の立会のもとに、仮組立て検査を行わなければならない。
なお、他の方法によって仮組立てと同等の精度が行える場合の出来形管理は、施工管理基準の出来形管理基準及び規格値第編第章第3節14-2条工場製作工により管理しなければならない。

 特仕4-3-11 鋳造費
  橋名板、橋歴板の材質については、JISH2202(黄銅合金)によらなければならない。

 特仕4-3-12 アンカーフレーム製作工
  アンカーフレーム製作工の施工については、「特仕」第6編特仕3-3-4アンカーフレーム製作工の規定によるものとする。

 特仕4-3-14 工場塗装工
  1. 下塗りの色彩は錆色・赤錆色又は朱色とする。
  2. 一般外面を薄膜型重防食塗装とすることが設計図書に示された場合は表4−1、4−2の塗装仕様によるものとする。
  表4−1
塗装箇所 塗装記号


一般外面 I系
箱桁内面 D系 D5
箱桁上フランジ上面




高力ボルト接合部 I系 F11
箱桁内面 D系 F12
箱桁上フランジ上面
現場溶接部及び
高力ボルト頭部
I系 F13
    表4−2
   
(1) 外面及び内面等の母材と添接板の接触面については、表4−3の仕様とする。
表4−3

(2) 前処理のプライマーの膜厚は総合膜厚に加えないものとする。
(3) 塗装間隔の下限は20度の場合を示す。気温が低い場合には塗料の乾燥状態を調べ硬化乾燥していることを確認し塗り重ねを行うものとする。
(4) プライマーから2次素地調整に至るまでの塗装間隔を6ヶ月としたが、これは塗装・養生・保管・工場内移動等全ての工程を、塵あいや飛来塩分の影響を受けない管理された屋内で行うことを前提としたもので、この条件に当てはまらず、プライマー塗布面にさびが発生している部分はブラスト処理の素地調整を行うものとする。
(5) 表4−4に示す部分は塗装してはならない。
  表4−4
区分 対象部分
塗料があってはならない部分 @支承などの機械仕上げ面
機能性プライマーが残ってい
ても良い部分
@鋼材とコンクリートの接触面(桁橋の上フランジ上面、橋脚のベースプレート部、伸縮装置等)
  3. 一般外面をC塗装系にした場合の塗装仕様は、「平成2年6月社)日本道路協会鋼道路橋塗装便覧」(以下「塗装便覧」という。)の表4−5に示す塗装系とする。
    表4−5
塗装箇所 塗装系


一般外面 C2
箱桁内面 D3
箱桁上フランジ上面




高力ボルト接合部 F8
箱桁内面 F5
箱桁上フランジ上面
   
(1) 外面及び内面等の母材と添接板の接触面については、表4−6の仕様とする。
表4−6
(2) プライマーから2次素地調整に至るまでの塗装間隔を6ヶ月としたが、これは塗 装・養生・保管・工場内移動等全ての工程を、塵あいや飛来塩分の影響を受けない 管理された屋内で行うことを前提としたもので、この条件に当てはまらず、プライマー塗布面にさびが発生している部分はブラスト処理の素地調整を行うものとする。
(3) 表4−7に示す部分は塗装してはならない。
  表4−7
区分 対象部分
塗料があってはならない部分 @支承などの機械仕上げ面
  4. 素地調整
(1) 表面の粗さは70μmRz以下とする。
(2) 素地調整として行うブラスト処理に用いる金属研削材はJIS Z 0311-1996、非金属研削材はJIS Z 0312-1996「ブラスト処理用非金属研削材」に規定する研削材の中から選定しなければならない。
(3) 塵あいが付着していたり塩分の付着量が100mg/m2以上の場合には、現場塗装を行う直前に素地調整として水洗等による十分な清掃を行わなければならない。
なお、塩分付着量の測定は「JHS 408-1997鋼橋の付着塩分量測定方法」によるものとする。
  5. ブラスト作業
(1) ブラスト作業は原則として室内で行い、ブラスト開始直前から塗装完了までの間に雨や露等によってブラスト面に水分が付着しない条件下で作業を行うものとする。
(2) ブラスト作業にあたっては、所用の除錆度と表面粗さを得られる様な研削材の粒度、投射の条件(ノズル口径・空気圧・投射速度・時間等)を試験板等であらかじめ確認しその条件で行うこととする。
(3) ブラスト面はブラスト処理前に油分や水分、スパッタやスラグ等ブラストで除去出来ない有害付着物をあらかじめ取り除いておかなくてはならない。
(4) ブラスト処理後、ブラスト面は十分に清掃しブラストによるダストや研削材を完全に除去する。
(5) ブラスト面は、ブラスト施工後2時間以内に塗装する。
ただし、温度・湿度が管理されている屋内の場合は4時間以内とする。
  6. 塗装作業
(1) 素地調整及び塗装作業を行う塗装作業者は、鋼橋の塗装工事に十分な経験を有さなければならない。
なお、塗装作業には鋼構造物塗装の資格を有する塗装管理者が立会わなければならない。
(2) 使用する塗料は塗装方法、塗布量及び塗装時の気温等によって適正な粘度に調整する。この場合、やむを得ず希釈剤(シンナー)を使用する場合には、希釈剤の添加量は最小限とし正確に秤量して添加するとともに、希釈剤は塗料と同一の製造会社のものを使用する。
ただし、無溶剤形塗料には希釈剤を用いてはならない。
  7. 塗装作業禁止の条件
(1) 塗装時の作業環境、塗装面及び塗料が、「塗装便覧」5-4気象条件の表5-6に示す状態の場合には塗装を行ってはならない。(塗料硬化中も含む)
なお、機能性プライマーについては、温度0℃以下・湿度50%以下の場合は、塗装を行ってはならない。
(2) 屋外塗装で降雨・降雪及び強風等のある場合、あるいはその恐れがある場合。
(3) 塗装面が結露等で濡れている場合及び引き続きその状態が持続されると予想される場合。
(4) 塗装面の表面温度が「塗装便覧」5−4気象条件の表5−6に規定する温度以下あるいは50度以上の場合。
(5) 規定の素地調整が行われていない場合。
(6) 規定の塗り重ね間隔をとっていない場合。
(7) 塗装面に、泥・油脂・ゴミ・ほこり等が付着している場合及び塩分の付着量が100mg/m2以上の場合。
(8) 使用塗料が規定された可使時間を超えている場合。
  8. 塗料の品質
塗料の品質は原則として、「塗装便覧」の資料U鋼道路橋塗装用塗料標準によるものとする。
  9. 溶接部の塗装
溶接部は原則として、素地調整(電動工具処理)を行った後、りん酸溶液(5〜10容量%)で中和処理し乾燥させてから塗装しなければならない。ただし次の場合はこの限りではない。

(1) 製品ブラストの場合及び原板ブラストで溶接ビートをブラストして塗装する場合。
(2) 溶接後、屋外に放置して赤錆が発生している場合。
(3) タールエポキシ樹脂塗料を塗る場合。
(4) 低水素系溶接棒による手溶接以外の溶接部。
  10. 本工事に適用する彩色は設計図書によるものとする。

第4節 鋼橋架設工
 特仕4-4-1 一般事項
  請負者は、「共仕」第6編4-4-1一般事項の5項の架設計画書に、現道上の架設については、設計図書から記載しなければならない。

 特仕4-4-4 架設工(クレーン架設)
  1. 請負者は架設を自走クレーン等のベント方式で施工する場合には、桁下に全巾のベントを組立て本締めをすることとし、ベントを半分程度組立て仮締め又は本締め後横引する工法は、採用してはならない。これにより難い場合に、設計図書に関して監督職員と協議するものとする。
  2. 請負者は、現道上における架設については、設計図書によるものとする。

 特仕4-4-5 架設工(ケーブルクレーン架設)
  請負者は、現道上における架設については、設計図書によるものとする。

 特仕4-4-6 架設工(ケーブルエレクション架設)
  架設工(ケーブルエレクション架設)の施工については、「特仕」第6編特仕4-4-5架設工(ケーブルクレーン架設)の規定によるものとする。

 特仕4-4-7 架設工(架設桁架設)
  請負者は、現道上における架設については、設計図書によるものとする。

 特仕4-4-8 架設工(送出し架設)
  桁架設の施工については、「特仕」第6編特仕4-4-7架設工(架設桁架設)の規定によるものとする。

 特仕 4-4-9架設工(トラベラークレーン架設)
  請負者は、現道上における架設については、設計図書によるものとする。

 特仕4-4-10 現場継手工
  請負者は、道路橋示方書に準拠するものとし、トルク係数値はA種に適合するものとする。

第5節 橋梁現場塗装工
 特仕4-5-2 材料
  現場塗装の材料については、「特仕」第6編特仕4-3-2材料の規定によるものとする。

特仕4-5-3現場塗装工
  1. 請負者は、箱断面で鋼材の継手部等において、雨水の侵入する恐れのある部分については、パテ等により防止しなければならない。
  2. 下塗りの色彩は錆色・赤錆色又は朱色とする。
  3. 中塗り・上塗りの色彩は設計図書による。
  4. 運搬・架設の過程に生じた塗膜破損部については、塗膜上の付着物を取り除き補修塗装を行うものとする。
 なお、塗料及び使用量については、工場塗装の塗装仕様を満足するものとする。

第6節 床版工
 特仕4-6-2 床版工
  1. 請負者は、コンクリートの打設計画(順序・方法・打数量)について検討のうえ監督職員に提出しなければならない。
  2. 請負者は、コンクリート打設にポンプ車を使用する場合には、吐出しにおけるコンクリートの品質が安定するまでは打設してはならない。
また、コンクリートを配管打設する場合は、鉄筋に直接パイプ等の荷重がかからないように、足場等を設けて施工することとする。
  3. 請負者は、鋼製伸縮継手フェースプレート下部に空隙がある場合には、無収縮モルタルにより充てんしなければならない。
なお、モルタルの配合は、「特仕」第6編特仕4-7-2支承工の規定によらなければならない。
  4. 請負者は、床版型枠吊金具及び床版厚検測用鋼材の現場溶接を行う場合には、その理由、施工方法を施工計画書に記載しなければならない。

第7節 支承工
 特仕4-7-2 支承工
  支承に使用する無収縮モルタルの配合は表4−のとおりとする。
   
  表4−無収縮モルタルの配合(1m3当り)

名称 規格 単位 数量
無収縮材 セメント系プレミックスタイプ s 1,875
  ? (338)
(注)上表にはロスを含む
   
  なお、無収縮モルタルの品質規格の参考値を表4−に示す。
   
  表4−無収縮モルタルの品質規格(参考値)

項目 規格値 試験方法
コンシステンシー (流下時間) セメント系:8±2秒 J14ロート試験
ブリージング 混りまぜ2時間後 JISA1123
凝結時間 始発:1時間以上 終結:10時間以内 ASTMC403
膨脹収縮率 材令7日で収縮なし 土木学会「膨脹材を用いた充填 モルタルの施工要領」付属書
圧縮強度 材令3日:25N/mm以上 材令28日:44N/mm以上 JISA1108 供試体径5p高さ10p

第8節 橋梁付属物工
 特仕4-8-2 伸縮装置工
  1. バックアップ材については、ミルシートの提出のみとする。
  2. 請負者は、漏水防止のための伸縮装置内充填材の充填方法について施工計画書に記載しなければならない。

 特仕4-8-9 銘板工
  橋名板、橋歴板の材質については、JISH2202(黄銅合金)によらなければならない。

第9節 歩道橋本体工
 特仕4-9-2 作業土工(床掘り・埋戻し)
  作業土工の施工については、「特仕」第1編特仕3-3-3作業土工の規定によるものとする。

 特仕4-9-3 既製杭工
  既製杭工の施工については、「特仕」第1編特仕3-4-4既製杭工の規定によるものとする。

 特仕4-9-4 場所打杭工
  場所打杭工の施工については、「特仕」第1編特仕3-4-5場所打杭工の規定によるものとする。

 特仕4-9-6 歩道橋(側道橋)架設工
  1. 請負者は、現道上における架設については設計図書によるものとする。
  2. 横断歩道橋の舗装の仕様については設計図書によるものとする。
  3. 横断歩道橋の舗装色は設計図書によるものとする。
  4. 請負者は、横断歩道橋の施工にあたっては、床版上の塵あい・油脂・錆等を完全に除去し、舗装の剥離を防止しなければならない。

 特仕4-9-8 工場塗装工(歩道橋)
  1. 請負者は、工場塗装工(歩道橋)の施工にあたっては、「共仕」第6編第4章4-3-14工場塗装工、「特仕」第6編第4章4-3-14工場塗装の規定によらなければならない。
  2. 請負者は、工場塗装工(歩道橋)の中塗り・上塗りは、工場塗装を原則とする。
  3. 中塗り・上塗りの色彩は設計図書による。

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