大西山大崩壊地

 長野県下伊那郡大鹿村大河原地先に位置する大西山大崩壊は、小渋川と大木川の合流点付近に位置する大西山(標高1,741m)で発生したものである、折からの台風15号の接近により刺激を受けた梅雨前線は、6月23日より記録的な集中豪雨となり、6月28日には総雨量424mmに達した。6月29日9時10分頃、大西山山腹斜面が大音響とともに、高さ約450m、幅約500mに渡って崩壊し、約320万m3(東京ドーム2.5杯分)の土砂が下市場、文満集落等を襲い、39戸の家屋を破壊、水田約30余町歩を埋没させ、6名の出張所職員殉職者を含む42名の尊い命を瞬時に奪い去った。

DATA
位置 長野県下伊那郡大鹿村大河原地先
発生時期 昭和36年(1961年)6月29日9時10分頃
発生原因等 梅雨前線に伴う集中豪雨
推定崩壊土砂量 約320万m3
被害状況 不明
その他 ・大西山崩壊(死者42名、家屋全壊戸数39戸)
・長野県南部(死者・行方不明者130名、負傷者1,155人、被害総額約250億円)

対策状況
小渋川上流域からの流出土砂に対する土砂の調節、及び大西山大崩壊地の山脚固定、法尻洗先掘防止等を目的として、平成6年度より大河原床固工群の整備を進めている。また、「水辺の学校プロジェクト」の一環として、大鹿小学校の児童等が、水辺に親しみながら過去の災害等についても学べるように護岸の緩傾斜化等親水性を高める努力を進め、大鹿村が進めてきた中央構造博物館と一体となって整備している。