富士山大沢崩れ
 大沢崩れは、富士山剣が峰の北付近から標高2,200m付近までの延長約2.1kmにわたり、最大幅約500m、最大深さ約150mをもった巨大な崩壊地である。
 富士山は約1万年前に今の山体が形成されたと言われる若い火山であるため、山体を刻んでいる渓流のほとんどが水無川で深い谷がないが、唯一真西に位置する大沢川が日本有数の崩壊地「大沢崩れ」を源頭部としていただき、明瞭な谷地形と、標高400mより下方において、新しい大沢扇状地を形成している。

DATA
位置 山梨県南都留郡鳴沢村字富士山(大沢)
発生時期 大沢崩れの形成時期・原因は明らかではないが、下流に堆積している古い土石流の中に埋もれていた木片の年代測定結果によると、約1,000年前に大規模な土砂移動があったと推定されてる。
推定崩壊土砂量 約7,500万m3といわれているが明らかでない。
発生原因等 不明
被害状況 最近では平成12年11月に大規模な土石流が発生したが、扇状地の砂防施設において約28万m3土砂捕捉し下流域に被害はなかった。

対策状況
昭和57年度より発生源拡大防止として源頭部調査工事を行っている。標高2,200mでの高標高・急傾斜といった現場条件が厳しい事、気象等の制約から作業期問が年3ヶ月程度と限定される事、資材運搬が困難な事が上げられるなかで、工事に伴う安全管理や施工法の工夫を行うとともに、工事による目然環境への影響を考慮しながら調査工事を進めている。