河川堤防(以下「堤防」という。)の構造は、主に実際に発生した被災等の経験に基づいて定められてきたものであり、構造物の破壊過程を解析的に検討して設計されてきたものではありません。一方、治水対策の進捗に伴い、氾濫原における人口や資産の集積には著しいものがあり、堤防の安全性の確保がますます必要となってきています。
このため、計画高水位以下の水位時における耐浸透機能に関する河川堤防の所要の安全性について、詳細点検を実施しています。
中部地方整備局管内の直轄管理堤防については、詳細点検対象堤防延長約970kmのうち平成19年度末(平成20年3月)時点で、約826kmの詳細点検を終了し、そのうち約半分の区間で計画高水位に達する洪水が発生した場合、浸透破壊に対する堤防の安全性が確保されていない状況となっています。
堤防の詳細点検結果(PDF 77.7 KB)
堤防の詳細点検は平成20年度まで実施する予定としております。
堤防の詳細点検計画(PDF 77.6 KB)
中部地方整備局では、詳細点検の結果を踏まえ、流下能力の確保を目的とした量的整備とバランスを図りながら、質的強化を進める予定としています。また、質的強化の実施までの間、効果的な水防活動の推進を図るため、詳細点検結果を水防管理団体と共有していきます。