●水害を受けやすい地形・気象特性●


1)急勾配の河川・台風の経路
○中部地方は、南・中央アルプスなど日本を代表する3,000m級の山々が南北に縦走し、これら広大で急峻な山岳地帯が河川の水源地となっており、多量の雨は短時間で急勾配の河川を一気に流れ下ります。
【わが国と諸外国の河川勾配比較グラフ】

○気候は、内陸部では冬期に雪が多く、また、海岸側である東海地域では台風の上陸経路であるため夏期に多雨をもたらすとともに、降雨の季節的、地形的変動が激しく、集中豪雨が生じやすいという傾向にあります。
【中部地域は台風の主要経路図】

2)ゼロメートル地帯・洪水時に水位が高い
○日本最大のゼロメートル地帯(全国の33%を占める)

・濃尾平野は、わが国最大のゼロメートル地帯であり、地下水の過剰揚水等に起因する地盤沈下は、近年、沈静化しているものの、一度沈下した地盤は決して回復せず、災害に対する潜在的な危険性は依然として高い状態にあります。
木曽三川の氾濫区域とゼロメートル地帯

●全国のゼロメートル地帯
地域 ゼロメートル地帯(km2)
関東平野 136
九十九里平野 8
新潟平野 208
豊橋平野 27
岡崎平野 57
濃尾平野 395(33%)
大阪平野 66
高知平野 10
筑後・佐賀平野 253
その他 30
全 国 1,190(100%)
【環境省】
「全国の地盤沈下地域の概況(平成12年度版)」
【ゼロメートル地帯】
朔望平均満潮位以下の地域

氾濫地域

庄内川以西ゼロメートル地帯を含む
ゼロメートル地帯

○洪水時の水位より、はるかに低い地盤高

・木曽三川をはじめとする大河川流域の市街地は、そのほとんどが洪水位より低く、堤防により洪水から守られています。
▼河川洪水位による比較▼

【木曽川水系】【パリ】【ニューヨーク】


【中部の治水対策の状況へ戻る】