公共工事の品質確保とは?



 公共工事は、調達時点で品質を確認できる物品の購入とは異なるため、価格のみの競争では、品質のよいものをつくろうとする企業努力を損ない公共工事の品質の低下を引き起こすことがあります。「公共工事の品質確保の促進に関する法律」は、すべての発注者に対し、価格と品質の両面で総合的に優れた調達を追求していくことを求めるものです。また、公共工事の品質を確保するうえで発注者による技術審査や工事の検査などを行うことが不可欠ですが、発注者自らが実施できない場合は、必要な能力をもつ外部への委託の活用などに努めるべきとしています。
 この法律を適切に運用することによって、談合を誘発しやすいとされた入札契約の手続きが健全な競争環境に改善されるとともに、技術力が脆弱であっても建前上万能とされた発注者の能力が外部支援によってきっちり確保されることとなります。公共工事のプロセスの透明性が画期的に改善され、「公正さを確保しつつ良質なモノを低廉な価格で調達し提供する」という発注者責任がきっちりと達成されることを期待しています。

中部地方整備局 企画部長