ホーム河川事業川の総合学習天竜川に棲む魚たち(平成19年度調査)

天竜川に棲む魚たち

天竜川に棲む魚たち 【平成19年度調査】

平成19年5~10月に、天竜川で魚類調査(河川水辺の国勢調査)を行いました。以下に、その中の数種類を紹介します。

  • 【カワムツ】
    コイ目コイ科

    全長約15cmの純淡水魚。富山県及び静岡県以西の本州、四国、九州に自然分布する。静岡県内では、御前崎市(旧浜岡町)新野川以西に自然分布するが、現在ではアユの種苗等の魚の移動に伴って県内各地に広く分布している。河川上中流の流れの緩い淵に生息し、落下昆虫、底生動物、付着藻類を摂餌する。5~8月に淵尻から平瀬の砂泥底に産卵する。
    静岡県版レッドデータブックにおける静岡県西部地域の「要注目種」に指定されている。

  • 【アマゴ】
    サケ目サケ科

    全長約20~25cmの純淡水魚。背面には黒点が散在し、体側には7~11個の暗青緑色の小判型の斑紋(パーマーク)があり、側線の上下に朱紅点が散在する。
    日本固有亜種であり、静岡県では東は酒匂川水系鮎沢川、西は天竜川まで自然分布する。渓流域に生息し、カゲロウ、トビケラなどの水生昆虫を摂餌する。10月中旬から11月下旬に淵尻の平瀬や岸よりの巻き返しの砂礫底に産卵床を掘る。
    環境省レッドリストにおける「準絶滅危惧」、静岡県版レッドデータブックにおける静岡県西部地域の「要注目種」に指定されている。

  • 【カマキリ】
    カサゴ目カジカ科

    全長約20cmの両側回遊魚。胸鰭の軟条は分枝する。前鰓蓋骨に4本の棘があり、この棘でアユを引っかけて食べるという言い伝えからアユカケという別名がある。
    日本固有種で、神奈川県・秋田県以南の本州、四国、九州に分布する。静岡県では海とつながるほぼ全河川から確認されている。河川中流域に生息し、水生昆虫や魚類などを摂餌し、産卵期は1~3月で、沿岸域や河口付近で産卵する。
    環境省レッドリストにおける「絶滅危惧Ⅱ類」、静岡県版レッドデータブックにおける静岡県西部地域の「準絶滅危惧」に指定されている。

  • 【ウツセミカジカ(回遊型)】
    カサゴ目カジカ科

    全長約17cmの両側回遊魚。眼から鰓蓋にかけて2本の暗色帯がある。
    日本固有種であり、本州と四国の太平洋側に分布し静岡県では、伊豆半島から静岡市興津川、磐田市太田川から浜名湖までの河川において記録がある。河川中下流域の瀬に生息し、水生昆虫や小魚を捕食する。産卵期は3月中旬~5月中旬に瀬の礫底にある石の裏に産卵する。
    環境省レッドリストにおける「絶滅危惧ⅠB類」、静岡県版レッドデータブックにおける静岡県西部地域の「絶滅危惧Ⅱ類」に指定されている。

  • 【ブルーギル】
    スズキ目サンフィッシュ科

    全長約25cmの純淡水魚。体高は高く、体色は濃灰褐色から暗褐色である。池沼、河川下流域に生息し、プランクトン、水生昆虫、甲殻類、魚卵、魚類などを捕食する。本種は、2年で8cm、3年で13cm、4年で16cm程に成長する。産卵期は6~7月で、岸近くの浅瀬などの砂泥底にすり鉢状の産卵床を作る。
    「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(2004)」における特定外来生物とされている。