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菊川に飛来する鳥類

菊川に飛来する鳥類 【平成18年度調査】

平成18年秋季(9月)に、菊川で鳥類調査(河川水辺の国勢調査)を行いました。以下に、その中の数種類を紹介します。

  • 【セグロセキレイ】
    スズメ目セキレイ科

    一年中、川や湖の岸に生息しますが、河川の中流域に比較的多く見られます。世界で日本にしか見られない日本特産種です。水辺を活発に歩きながら地面や水面をついばんだり、空中に飛び上がったりして昆虫類を捕らえます。
    繁殖期は3~7月で、川岸の植物や岩の下、崖地などの物陰に、枯れ草や細い根で椀形の巣を作って繁殖します。

  • 【イソシギ】
    チドリ目シギ科

    一年中、河川や湖沼などの水辺に生息し、河川では河口部から上流部まで広く見られます。北方に生息するものは冬季に暖地へと移動します。水辺を歩きながら、石の間や砂泥の中から長いくちばしを使って小さな昆虫などをついばみます。飛び立つときや飛翔中はよく「チーリーリー」という細い声で鳴きます。
    繁殖期は4~7月で、岸辺の草地に浅い窪みを掘り、枯れ草などを敷いて巣を作り繁殖します。

  • 【チョウゲンボウ】
    タカ目ハヤブサ科

    本州の中部以北では一年中生息し、低地から高山帯にかけて幅広く見られます。秋から冬にかけては一部が移動し、全国的に見られるようになります。草原や農耕地、河川敷の上空で停空飛翔(ホバリング)しながら獲物を探し、ネズミや小鳥、昆虫類などの獲物を見つけると降下して地上で捕らえます。
    繁殖期は4~7月で、断崖の横穴や岩棚などを巣として繁殖しますが、近年は鉄橋や建物のすきまなど人口構造物を使った繁殖例が増えています。

  • 【チュウサギ】
    コウノトリ目サギ科

    夏に繁殖のために日本に渡来し、平地の水田や湿地、大きな川などに生息します。浅瀬を静かに歩きながら餌を探し、昆虫類や小魚、甲殻類、カエルなどを食べます。
    繁殖期は4~9月で、他のサギ類(コサギ、アマサギ、ダイサギ、ゴイサギなど)と一緒に集団繁殖することが多いです。マツ林、雑木林、竹林などで枯れ枝を使って皿型の巣を作って繁殖します。

  • 【カワウ】
    ペリカン目ウ科

    一年中、大きな川や湖沼、内湾などに生息し、水かきと長い尾を使って巧みに潜水し魚などの餌を捕らえます。1980年代には個体数が著しく減少しましたが、近年は増加傾向にあり、各地で漁業被害が深刻化しています。
    地域によって時期は異なりますが、ほぼ一年中繁殖を行っています。水辺の近くの林で集団繁殖を行い、木の枝の上に小枝や枯れ草を使って皿型の巣を作って繁殖します。

参考文献

  • 「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社 1985)
  • 「原色 日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」(保育社  1995)
  • 「原色 日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」(保育社  1995)