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富士山と信仰 |
富士山は、日本列島のほぼ中央部に位置し、標高3,776mの日本一の高さを誇る、円錐型の独立成層火山です。 古くから、富士山の神聖で荘厳な姿は、人々に畏敬の念を呼び起こし、また、噴火を繰り返す富士山は、神が宿る山として人々 に畏れられ、噴火を鎮めるため、山麓に浅間神社が建てられました。構成資産の一つである「富士山本宮浅間大社(富士宮市)」 は、全国に1,300社余りある浅間神社の総本宮です。 火山活動が沈静化する平安時代後期になると、富士山は、日本古来の山岳信仰と密教等が習合した「修験道」の修行の場とな り、室町時代後半には、修験者だけでなく庶民も登拝するようになりました。 戦国時代末期に現れた長谷川角行(はせがわかくぎょう)は、新たな富士山信仰を教義としてまとめたとされ、角行の教えを引 き継いだ人々により、江戸時代中期には「富士講」が関東を中心に大流行しました。角行が修行を行った山麓の湖沼や湧水地は、 霊地として富士講信者の巡礼地となりました。 このように富士山は、古来、自然物、特に山岳に対する信仰の伝統を持っていた日本人の様々な信仰の対象となってきたので す。 |
![]() 絹本著色富士曼荼羅図 (富士山本宮浅間大社蔵) 室町時代の富士山への登拝の様子が描かれています。 |
富士山と芸術 |
![]() 三保松原からの富士山 写真提供:静岡県観光協会 |
富士山は、その美しい姿から様々な創作活動の題材となってきました。文学では日本最古の歌集「万葉集」をはじめ、数多くの
和
歌や俳句などによってその崇高さや美しさが称えられ、近代以降も太宰治などの文学者が富士山を舞台とした作品を生み出しまし
た。 また、美術作品との関連性も高く、三保松原と富士山を描いた狩野派の絵画や、印象派を代表する画家のモネやゴッホ、作曲家 のドビュッシーに影響を与えたことでも有名な葛飾北斎に代表される浮世絵の題材となるなど、富士山は芸術の源泉としての価値 を持っています。 |
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FUJI
SABO通信 平成24年12月31日 第83号 発行:国土交通省中部地方整備局 富士砂防事務所 静岡県富士宮市三園平1100 電話 0544-27-5221 |