特 集 令和元年台風第19号 TEC-FORCE派遣

 〜台風第19号(ハギビス)について〜
 台風第19号は10月6日に南鳥島近海で発生し、12日に強い勢力で伊豆半島に上陸しました。その後、関東地方を通過し、13日に温帯低気圧に変わりました。
特に雨については、静岡県や新潟県、関東甲信地方、東北地方の多くの地点で3、6、12、24時間降水量の観測史上1位の値を更新するなど記録的な大雨となりました。また、気象庁は1都12県に大雨特別警報を発表しました。この大雨の影響で、広い範囲で河川の氾濫が相次いだほか、土砂災害や浸水被害が発生しました。これら大雨による災害及び暴風等により、死傷者や住家被害及び電気・水道・道路・鉄道施設等のライフラインへの被害が発生し、12月になっても多数の方の生活に大きな影響を及ぼしています。

台風第19号の進路図


 〜TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)とは〜
 従前の災害応急活動は災害が発生してから、その都度支援体制を構成していました。そこで平成20年にTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊:Technical Emergency Control FORCE)を創設し、支援人員や資機材の派遣体制を構成することで、迅速な自治体支援を行えるようになりました。
大規模な自然災害等に際し、被災状況の把握や被災自治体の支援を行い、被災地の早期復旧のための技術的支援を迅速に実施します。
TEC-FORCEには、自治体と国土交通省との情報共有、被災状況調査、排水ポンプ車や照明車等の貸し出し、技術的助言などの業務があります。
今回の災害では、12月2日時点で延べ人数30,000人が派遣されました。 

TEC-FORCE派遣(緊急災害対策派遣隊)の図


 〜派遣場所・丸森町の被害〜
 丸森町は宮城県最南端に位置する人口約1.3万人、阿武隈川(あぶくまがわ)やその支川に囲まれた盆地地形の美しい自然と歴史を有する町です。
 阿武隈川、内川(うちかわ)合流地点付近の平野部は浸水被害が想定されており、山間部では土砂災害警戒区域を数多く有する町でもあります。
 今回の台風第19号の大雨により、阿武隈川本川や支川沿いは多くの土石流が発生し、阿武隈川の支流である五福谷川(ごふくやがわ)では土砂・洪水氾濫が発生、また、多くの地域で内水氾濫が起きました。この災害により、多くの道路や橋が寸断され、住家被害も多数発生しています。12月2日時点の情報では、町内にて土石流等が147件、がけ崩れが32件確認され、5名の方が亡くなりました。
丸森町のちず

 〜実際の調査〜
一週間 町、現地司令部との打ち合わせ→被災状況調査→調査結果整理→町、現地司令部への報告

派遣隊のある一日の行程

8:30
宿泊所出発
10:00
丸森町役場到着
10:05
各機関と打合せ
10:40
現地調査開始
12:15
昼食休憩
12:45
現地調査再開
14:50
丸森町役場に帰庁
15:00
丸森町役場への報告書作成
19:30
丸森町役場出発
21:00
宿泊所到着
21:30
現地司令部への報告書作成
0:15
報告書の送付完了



もどる ホーム つぎ FUJISABO通信 令和元年12月 第112号
発行:国土交通省中部地方整備局 富士砂防事務所
静岡県富士宮市三園平1100 電話 0544-27-5221