越美山系砂防事務所 国土交通省 中部地方整備局

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平成30年度事業概要

平成30年度事業概要

1 事業区域の特性

年間平均降水量が3,000mmを超える岐阜県随一の多雨多雪地帯
根尾川断層※をはじめとする活断層による脆弱な地質

深層崩壊 (100万m3超) を含む土砂災害が何度も発生

※) 明治24年 (1891年) 、日本最大の内陸型地震「濃尾地震」 (M8.0) を起こした断層

左:岐阜県の年平均降水分布量
右:管内の活断層と過去の主な深層崩壊

左:ナンノ谷大崩壊地、中:徳山白谷大崩壊地、右:根尾白谷大崩壊地

2 近年の災害

左:平成18年 (2006年) 5月 東横山地先地すべり (揖斐川町東横山)
右:平成20年 (2008年) 9月 西濃豪雨 国道303号寸断 (揖斐川町東津汲)

左:平成22年 (2010年) 8月 八草川山腹崩壊 (揖斐川町坂内川上)
右:平成23年 (2011年) 1月 土石流 (本巣市根尾越波)

左:平成24年 (2012年) 9月 土石流(揖斐川町坂内坂本)
右:平成26年 (2014年) 8月 土石流 国道157号寸断 (本巣市根尾大河原)

3 事業の概要

図:事業区域

越美山系砂防事業の略歴

昭和40年(1965年) 9月14・15日の集中豪雨(奥越豪雨)により徳山白谷、根尾白谷の大崩壊発生と共に各地で大きな被害発生。災害のための砂防調査開始
昭和43年(1968年) 越美山系砂防工事事務所開所
昭和50年(1975年) 台風6号により坂内村で大きな被害発生
昭和58年(1983年) 集中豪雨により能郷倉見で大崩壊発生し根尾西谷川をせき止める
平成元年(1989年) 久瀬村、根尾村(樽見より下流)区域が直轄編入
平成16年(2004年) 本巣町、真正町、糸貫町、根尾村が合併し本巣市となる
平成17年(2005年) 揖斐川町、谷汲村、春日村、久瀬村、藤橋村、坂内村が合併し揖斐川町となる
平成18年(2006年) 揖斐川町東横山で地すべり発生
平成20年(2008年) 西濃豪雨により揖斐川町各地で被害発生
平成22年(2010年) 揖斐川町坂内川上で山腹崩壊発生
平成23年(2011年) 豪雨により根尾越波にて土石流発生
平成24年(2012年) 揖斐川町坂内川のギラ谷で表層崩壊発生中ノ原谷で土砂流出が発生
平成26年(2014年) 本巣市根尾大河原地先の下河原谷で土砂流出が発生
平成30年(2018年) 越美山系直轄砂防事業50周年

4 事業実施の基本方針

1.過去の大災害を繰り返させない

過去の大災害と同程度の豪雨時にも、越美山系及び下流域の氾濫被害を防止するための砂防施設を整備する。

2.下流を洪水から守る横山ダムの堆砂を軽減する

横山ダムに流入する土砂を軽減するための砂防施設を整備する。

3.土石流から集落を守る

土石流により被害を受けるおそれのある集落や道路等を守るための土石流対策砂防施設を整備する。

4.大規模(深層崩壊)土砂災害に備える

ナンノ谷、徳山白谷、根尾白谷の三大崩壊を踏まえ、河道閉塞等の大規模土砂災害に備えて、ソフト対策及びハード対策を引き続き進める。


5 平成30年度事業費

(注)単位(千円)、金額は事業費ベース(事務取扱費を除く)です

砂防事業費の推移


6 平成30年度事業実施予定箇所

位置図

1) 高地谷第1砂防堰堤
高地谷第1砂防堰堤は高さ27mの巨大な堰堤です。コスト縮減のため砂防ソイルセメント※を用いており、このように高さのある堰堤で本工法を用いることは全国的にも先進的な取り組みとなります。平成27年度に付け替え道路を完成させ、平成28年度に本堤の整備に着手し、平成30年度は引き続き本堤の整備を進めていきます。

※砂防ソイルセメントとは、砂防工事の掘削等で生じる現地発生土砂を有効活用したコンクリート材料と土砂材料の中間的材料のこと

左:本堤の整備状況 (平成29年12月) 、右:完成イメージ図

2) 下谷第2砂防堰堤
平成20年の西濃豪雨により、大量の流木や土砂が流出し国道303号を閉塞する被害が生じました。平成30年度は本堤に着手し、早期完成を目指します。

施工状況 (平成30年3月現在)


3) 坂内白谷第1砂防堰堤
国土交通省が提唱するi-Constructionに基づき、3次元データを活用するICT活用工事(ICT砂防)を行います。平成30年度は引き続き本堤の整備を進めていきます。

施工状況 (平成29年11月現在)

4) 根尾川流木対策事業
根尾川の上流域は森林荒廃により雪倒木等が多量に発生しています。平成29年7月の『九州北部豪雨』で発生した様な流木被害を抑えるためにも、本巣市根尾地域で砂防堰堤に流木止め施設を設置する取り組みを行っています。平成30年度は越波谷第1砂防堰堤で引き続き流木対策工事を行います。

左:根尾川上流域の荒廃状況、右:施工状況 (平成29年12月現在)

5) アテガ平谷第1砂防堰堤、ガラン谷第1砂防堰堤
アテガ平谷流域及びガラン谷流域は多数の崩壊地がみられ、渓床部での不安定土塊の堆積や倒木が確認されており、土砂災害に対する安全性を確保するため砂防堰堤を設置していきます。平成30年度は砂防堰堤を施工するために必要な工事用道路を建設します。

左:上空よりアテガ平谷流域を望む、右:上空よりガラン谷流域を望む

※施工にあたっては、環境負荷を与えないよう猛禽類調査を実施するなど環境に配慮し、事業を進めています

7 土砂災害への備えを強化するための取り組み

1) 関係機関と連携し、土砂災害の備えを強化
土砂災害が発生した時に国、県、市町、関係機関が連携し、適切に対応するために「越美山系大規模土砂災害連絡調整会」を設立し、毎年、防災訓練を実施し、迅速な情報伝達、防災体制の強化を図っています。

20機関が参加する大規模土砂災害防災訓練 (平成29年8月ロールプレイング型の訓練)

2) 災害時の緊急対応
地震や豪雨による土砂災害が揖斐川上流域で発生した時、越美山系砂防事務所はドローン等により迅速に被害を調査し、被害拡大の防止につなげるため、「一般社団法人岐阜県測量設計業協会」と災害時の緊急調査の手続きに関して覚書きを締結しました。

無人航空機による災害応急対策に関する覚書きによる演習(平成29年6月)


3) TEC-FORCEによる被災地支援
TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)とは、被災した地方公共団体等の災害対応を支援する国土交通省の組織です。被災地域が十分な災害対応を講じることが困難となるような大規模自然災害等において出動し、災害対応の支援を行います。

平成29年7月九州北部豪雨への職員派遣

4) 土砂災害防止法に基づく緊急調査
大規模な土砂災害が急迫している状況において、市町村が適切に住民の避難指示の判断等を行えるよう特に高度な技術を要する土砂災害については、国土交通省が被害の想定される区域・時期の情報を提供するために緊急調査を行います。


8 事務所の取り組み

1) 土砂災害に関する学習会
小中学校の先生、生徒が地域の自然、治水、土石流の歴史及び災害リスクや防災への取り組みの理解を深めることを目的に、土砂災害における出前学習会を実施しています。平成29年度は揖斐川町立揖斐小学校、揖斐川町立坂内小中学校で学習会を行いました。

揖斐川町立揖斐小学校での学習会 (平成29年9月)

2) 里山探検隊
「里山探検隊」は、揖斐川下流域の住民が揖斐川上流域、山間地部の自然、暮らし、土砂災害の様子や下流域との関わりを学ぶことを目的に活動を行っています。平成30年度は2回 (6月30日、8月29日) の活動を行う予定です。

建設中の砂防堰堤の見学する様子 (平成29年11月)

3) けんせつ小町隊による活動支援
「女性が働きやすい工事現場の実現」を目指し、越美山系砂防事務所及び工事受注企業の女性職員からなる「工事現場パトロールけんせつ小町隊」を結成しました。県内の国交省事務所としては初の取組みとなり、平成30年度も引き続き工事現場のパトロール、安全利用点検を行う予定です。

工事現場パトロール (平成29年7月)

4) 工事施工現場における意見交換会
砂防堰堤等の設計の品質を高めることを目的に工事施工業者、設計コンサルタント、発注者(当事務所)の3者が施工現場において施工方法等について議論する意見交換会を実施しています。

現場での意見交換会(平成29年11月)

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