トップページ > 環境保全策 > Q&A



皆さまからお寄せいただいた質問をご紹介します。

Q 堤防を嵩上げすれば、新丸山ダムは必要ないのでは?
A 治水施設のその他の案と比較して新丸山ダムの建設が最も有利
ダムをつくらずに堤防等で治水対策を行うとすると、
・堤防を高くする(堤防嵩上げ) ・川幅を広げる(引き堤)
・川底を掘り下げる(河床掘削) ・ため池を作る(遊水地)
・地下に水路をつくる(水路工)
などが考えられますが、多くの家屋移転や橋の架け替えなどが必要となるので、
今後ダム建設よりも長い年月と膨大な費用が必要となるなどの問題があります。
このようなことから、ダム建設が一番有利と考えられます。


治水計画案 問題点
堤防嵩上げ ・多くの橋のかけかえが必要となる。
・ダム建設よりも長い年月が必要となる。
引き堤 ・多くの家屋移転が必要となる。
・ダム建設よりも長い年月が必要となる。
河床掘削 ・日本ライン地区の飛騨木曽川国定公園、名勝「木曽川」などの景勝地が壊されることとなり同意等が困難。
遊水池 ・多くの家屋移転が必要となり地域の合意は困難である。
・事業費が大きく、経済的でない。
水路工 ・家屋の下の水路工は、住民の理解を得ることは困難である。


Q 丸山ダムで発電している電気はどこで利用しているのですか?
A 関西電力(株)が丸山・新丸山発電所で発電した電気は、送電線により関市、滋賀県東部を経由して主に京都周辺へ送っています。
また、新丸山ダム完成により増加する電力は、6,400万kwhです。これは、例えば1世帯4人家族がひと月に消費する電力量を平均310kwhとして、年間で約17,000世帯分をまかなえる大きさで、およそ美濃加茂市の世帯数にあたります。


Q

新丸山ダム本体工事の時、現在のダム湖の水は抜いたり減らしたりするのですか?

A  現在丸山ダムでは、洪水調節とともに、ダム湖の水を利用して発電も行っています。新丸山ダムを建設する時は、これらの機能を保ちながら工事を行う必要があります。もし、新丸山ダム建設工事の時ダム湖の水を減らしてしまうと、発電機能が落ちることになり、その分を国が補償しなければなりません。補償には多くのお金がかかるため、新丸山ダムの工事中もダム湖の水を抜いてしまうことはいたしません。ただし、工事の関係上一時的にダム湖の水位を下げることはあります。

  1、ダム左側の山に、川の水を一時的にとおすための「仮排水トンネル」を造ります。これは、現在丸山ダムが持つ洪水調節機能の一部を保つための施設です。
  2、順番にダムを造っていきますが、この時ダムに「堤内バイパス」という大きな孔を開けておきます。これも丸山ダムが持つ洪水調節機能を保つための施設です。
   
  3、また、ダムを造る順番を工夫し、溝のように低くなった「洪水処理ブロック」を設けながらつくることで、洪水が来た時の被害を少なくします。なお、仮排水トンネル・堤内バイパスは最後に閉じます。
  4、最後に、ダムの一番上に非常用洪水吐10門を設置して新丸山ダムの完成です。新丸山ダムでは、安全を確保するために、工夫をしながら工事を行います。

洪水調節 洪水を一時ダムに貯めてから、徐々に放流すること。
非常用洪水吐 ダムから放流する設備を洪水吐といい、
非常用洪水吐は計画以上の洪水が来た時に流す設備です。

※文中赤色で明記した設備は洪水処理を行うための施設です。


Q 新丸山ダムのために新たに水没する山林の保全対策は、
どのように考えていますか?
A これまでは、常時水位から計画満水位(サーチャージ水位)までの樹林を全て伐採していましたが、貯水池の樹林を保全することによりダム周辺の環境を守ります。


湖岸の水辺環境が裸地化 洪水時・試験湛水時に樹林が水没し、枯死・流出することによる水質悪化等を防ぐため通常伐採しています。

新丸山ダムでは、水没に強い樹木を保全し、ダム湖の水辺環境を守ります。
樹木の耐水性を調べるため、試験を行いました。図のように樹林を完全に水没されるもの、半分水没させるもの、根株状態のものと3通りに分け、それぞれについて40日、60日、80日と水没させる期間を変え、水没に強い樹木を調べました。



  水没に強い樹木を保全した水辺環境の実現   耐水試験の状況  
  水没に強い樹木を保全した
水辺環境の実現
  耐水試験の状況  


Q ダムに寿命はあるのですか?
A  ダム本体は、半永久的に使えるよう建設されています。丸山ダムと同じコンクリート式ダムで古いものといえば、神戸市にある布引五本松ダムがあります。建設されてから約百年を過ぎていますが、阪神淡路大震災にもびくともせず、今なお神戸市に水道水を供給しています。
 また、ダムの放流ゲートや電気機器など耐久年数の短い設備については、ダムの運用に支障のないよう、交換をしています。