柿田川の自然

◆きれいで安定した柿田川の水
柿田川の水は、汚れの程度を示すBOD※値が概ね1mg/リットル以下で、水道水の種別では1級にあたるきれいな水です。(表3-1参照) 柿田川の水温は年間を通じて15℃前後と一定で、図3-2に示すとおり変化が小さいことが特徴です。このため他の川と比べて夏冷たく冬暖かいという特徴を持っています。また、流量も年間を通してほとんど変化がなく安定しています。柿田川合流後の狩野川では、BOD値の低下(水質の向上)や水温の変化が見られ、狩野川の水環境も良くなっています。(図3-2参照) 晩秋に、狩野川のアユが産卵のため大量に柿田川に入ってくるのも、きれいで暖かい水が狩野川に流れ込んでいるためだといわれています。柿田川が普通の川に比べ水温や流量が安定しているのは、富士山の湧水を水源としているからです。この安定した水環境が、柿田川の多くの生物を育んでいます。

The water of the Kakita River is very pure and clean. It has a BOD level below 1mg/liter. The water temperature in the Kakita River is in the range of about 15℃ throughout the year. A special characteristic of the river is that the temperature variation is so small. Further, the volume of water changes little, and a constant flow is maintained throughout the year. This stable water environment is able to support a rich ecosystem.

図3-1 水質の調査地点

図3-1 水質の調査地点
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表3-1 水質に関する環境の基準
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表3-1 水質に関する環境の基準。

※BOD(生物化学的酸素要求量)
:水の中に含まれる汚れを微生物が分解する時に消費される酸素の量で、この値が大きいほど水が汚れているということを表します。

図3-2 柿田川・狩野川の比較
図3-2 柿田川・狩野川の比較 (クリックすると拡大)


◆減少している湧水
柿田川の湧水量※は、1960年代始めには130万m3/日ありましたが、その後減少し続け1980年代始めには100万m3/日位まで減少してしまいました。その後は年ごとの変動はありますがだいたい100〜110万m3/日の範囲で変化しています。(図3-3参照)
柿田川の湧水量が減少したのは、水源である富士山山麓での開発、地下水の汲み上げなどが原因と考えられています。
※ここでいう湧水量は、柿田川の流量+飲料水の取水量+工業用水の取水量です。

The quantity of spring water entering the Kakita River has decreased.
The causes are thought to be urban development at the base of Mt. Fuji (which is the water source), and the pumping of underground water.


図3-3 湧水量の推移

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コラム 柿田川の水は どこからくるの?


◆水の使われ方
柿田川の水は、水質が良く水量が安定していることから、飲料水、工業用水、農業用水として利用されています。
飲料水は静岡県東部の3市2町(沼津市、三島市、熱海市、清水町、函南町)に給水され、42万人の飲み水となっています。(図3-4、表3-3参照)
1日の湧水量約100万m3のうち、飲料水に約20万m3、工業用水に約10万m3が利用され、狩野川に流れこんでいるのは約70万m3となっています。

Because of it's good quality and stable quantity, the water of the Kakita River is used for drinking as well as for industrial and agricultural purposes.
表3-3 取水の内訳(クリックすると拡大)
表3-3 取水の内訳
コラム 長い旅
図3-4 取水点位置図
図3-4 取水点位置図
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