木曽三川河口部の耐震対策 進捗状況
木曽三川河口部の耐震対策について

1.耐震対策の必要性

木曽三川河口部は、南海トラフ巨大地震などによる津波の遡上が予想されています。
濃尾平野は緩い砂層で覆われており、地下水位も高いことから、地震発生時には地盤の液状化により、堤防の変形・沈下のおそれがあります。
また、我が国最大の海抜ゼロメートル地帯であり、地震により堤防が決壊すれば、長期間湛水したままの状況が続くなど、甚大な被害が予想されます。

2.耐震対策の目的

浸水被害のリスクが高い木曽三川河口部において、地震による河川堤防の沈下を抑制し、浸水被害の軽減を図ります。
津波による浸水被害に対しては、平成35年度までに、効果を発現させることを目指します。

※「南海トラフ地震防災対策推進基本計画 H26.3.28 中央防災会議」を踏まえ、目標とする時期


3.耐震対策が必要な区間(要対策区間)の設定の考え方

耐震対策の必要性は、地震後の堤防高が、津波水位※1や、平常時の最高水位※2を下回るか否かで判断し、下回る区間を要対策区間として、設定しています。
木曽三川河口部は、伊勢湾内湾に位置しており、津波が減衰することから、想定される津波水位よりも、平常時の最高水位が最も高くなると想定されています。
※1) 津波水位:数十年から百数十年に一度程度の頻度で到達すると想定される津波による水位
※2) 平常時の最高水位:被災した堤防を復旧する期間内に発生するおそれのある最高水位で、朔望平均満潮位に波浪を考慮したもの、または同期間内に発生するおそれのある出水による水位

4.河川堤防の耐震性能照査結果

河川堤防の耐震性能照査の結果は以下のとおりです。
「要対策区間のうち地震後の堤防高が津波水位以下となる区間」は、「3.耐震対策が必要な区間(要対策区間)の設定の考え方」の「概念図」のとおり、より大きく沈下する区間です。
そのため、今後は、この区間を優先的に耐震対策工事を進めていく予定です。
注1) 東日本大震災における堤防被災の知見を踏まえ、堤体の液状化の照査方法、地震動の見直し等が進められ、平成28年3月に「河川構造物の耐震性能照査指針U.堤防編」が改定されました。ここで示した要対策区間は、この指針に基づき照査を実施したものです。
注2) 要対策区間は、地質・地形的要件から、同一と見なせる範囲にブロック分けし、地震時に最も不利(沈下する)と想定される断面で、耐震性能を照査し、性能を満足しない範囲を設定したものです。
注3) 対策工事にあたっては、設計段階で、より多くの土質調査を行い、現地条件等を踏まえ、対策工事の範囲を決定します。
このため、設計段階で、要対策区間を変更する場合があります。
注4) この照査結果には、これまでに実施した耐震対策工事は加味していません(対策前の状況で評価しています)。

5.耐震対策の工法

耐震対策は、地盤等の液状化による堤防の沈下を抑制することを目的に実施するものです。
主な対策工法は以下のとおりです。
@. 液状化の発生そのものを抑制する対策
・堤体直下の液状化層を全面的に締固める工法や押え盛土
・堤体液状化に対する地下水位低下工法
A. 液状化の発生は許すが、堤防の被害を軽減する対策
・のり尻に矢板を打設し液状化層の変形を軽減する工法
B. @とAの組合せ
・のり尻直下地盤に対する締固め工法や固結工法
・堤体液状化に対する押え盛土やドレーン工
対策のイメージ
締固め工法を例とした対策のイメージは以下のものが考えられます。
出典:「土木研究所資料 河川堤防の液状化対策の手引き H28.3 (国研)土木研究所 地質・地盤研究グループ土質・振動チーム」
なお、対策工事にあたっては、東日本大震災における堤防被災の知見等を踏まえ、とりまとめられた「河川堤防の液状化対策の手引き H28.3」等を参考に、現地条件等を踏まえ、適切な対策工法を選定し実施していく予定です。

6.耐震対策工事の課題

対策工事の実施箇所には、戦争中に投下された不発弾が残っている可能性があり、また、昭和34年伊勢湾台風で被災した堤防の復旧に使用したと思われる巨石などの地中支障物が多数確認されています。
このため、工事の前には想定していなかった不発弾や巨石などの地中支障物の撤去のため、工期の延伸・費用の増額などが生じる工事があります。


 
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