住まいづくりに関する提言


地域住環境の保全に向けて(飛騨地域の場合)
山中 知彦
(総論)
中部圏域は、日本の中でも多様な地域性が、豊かに継承されている圏域であると思います。従って、住まいづくりを考える原単位として「中部」を一括りすることには、賛成しかねます。むしろ、「中部」の中での住環境の多様性への対応や、住環境資源の保全活用が検討され、住環境が均質化する首都圏とは異なる豊かな地域性に基づくライフスタイルや住宅政策が展開されることがふさわしいと思います。
そう言った意味で、私自身が仕事でおつきあいさせていただいている飛騨地域は、「中部」の持つ豊かな地域性を実際にまちづくりに展開している最も典型的な地域であると思いますし、他にも様々な地域でまちづくりや家づくりに取り組んでおられるように聞き及んでおりますので、貴会が「中部」の豊かさを担保する地域住環境の保全に重点的に取り組まれることを期待しております。

(具体的な課題の例示)
昨年、飛騨市への合併を控えた古川町・神岡町・宮川村・河合村の住民によって構成される「飛騨市を夢見る会」のアドバイザーの一人として、住民の皆さんとともに旧宮川村域の種蔵集落を見せていただきました。飛騨地域に見られる板蔵が石積みの棚田とともに見事に継承されている様に感動しました。ただし、将来にわたりこの地域住環境資源が保全されるための何らの担保もなく、また、必ずしも文化財としての現状維持が住民の方にとって望ましい方向性かというと、今後の合意形成に待つところであると思います。飛騨市にとっても既存の住宅政策に乗りにくく、かつ予算的な隘路もあり具体的な対応に至っていないとのことです。景観緑三法の整備や文化財保護法の改正のような国政の動きと連携して、このような地域住環境資源の新たな保全活用への道を模索することも、「中部の豊かな住まいづくり」を下支えする重要な政策の一例であろうと思われます。
有識者データ(2004年7月1日現在)
氏名 山中 知彦 (やまなか ともひこ) 97
生年 1952年
所属 (株)都市建築研究所
役職 代表取締役
所属先連絡先 〒330-0061
埼玉県さいたま市浦和区常盤5-8-1
TEL:048-814-2370
FAX:048-814-2371
E-mail:lua@r9.dion.ne.jp
専門分野 住宅・住環境・景観・都市デザイン・教育・まちづくり活動支援
経歴 1976年 早稲田大学理工学部建築学科卒業
1983年 東京大学大学院工学系研究科博士課程(建築計画学専攻)修了 工学博士
1984年 財団法人日本システム開発研究所(都市計画・設計担当)勤務
1986年 都市建築研究所創立
1991〜1996年 日本大学理工学部海洋建築学科非常勤講師(設計製図)
1996年〜 早稲田大学理工学部建築学科非常勤講師(設計演習)
1999年〜 川口市建築審査会委員
2000年〜 川口市都市計画審議会委員
2001年〜 埼玉大学工学部建設工学科非常勤講師(建築学概論)
所属学会等 日本建築学会
日本都市計画学会
これまでに関わった住宅マスタープラン
(中部4県内)
 
その他委員会等
(中部4県内)
1996年度 古川町市街地住環境整備計画
2002年度 古川町まちづくり総合支援事業計画
2003年度 白川村平瀬地区街並み環境整備事業計画
地域振興アドバイザー(飛騨市を夢見る会)

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