富士砂防(ふじさぼう)って何(なに)してるの？

災害(さいがい)から暮(く)らしを守(まも)る

災害対策工事(さいがいたいさくこうじ)

南西野渓対策(なんせいやけいたいさく)

富士(ふじ)山麓(さんろく)には「八百(はちひゃく)八沢(やさわ)」と呼(よ)ばれる多(おお)くの渓流(けいりゅう)（野渓(やけい)）が存在(そんざい)します。
普段(ふだん)は水(みず)の流(なが)れはなく、初冬(しょとう)や晩春(ばんしゅん)の大雨(おおあめ)時(じ)に土砂(どしゃ)を伴(ともな)って流下(りゅうか)することがあります。
富士山(ふじさん)の南西(なんせい)山麓(さんろく)に位置(いち)する富士宮(ふじのみや)市(し)と富士(ふじ)市(し)は、日本一(にっぽんいち)の最高峰(さいこうほう)を背後(はいご)に控(ひか)え、海岸(かいがん)近(ちか)くに広(ひろ)がるという地理(ちり)的(てき)条件(じょうけん)から、野渓(やけい)からの土砂(どしゃ)に起因(きいん)する災害(さいがい)を、過去(かこ)幾度(いくど)となく被(こうむ)ってきました。
このため、昭和(しょうわ)55年(ねん)に南西(なんせい)山麓(さんろく)野渓(やけい)の防災(ぼうさい)対策(たいさく)の方針(ほうしん)が検討(けんとう)され、土砂(どしゃ)対策(たいさく)の必要(ひつよう)性(せい)の高(たか)い野渓(やけい)に対(たい)して、昭和(しょうわ)58年(ねん)から対策(たいさく)工事(こうじ)を実施(じっし)しています。
これまでに猪(い)の窪川(くぼかわ)、足(あし)取( とり)川(がわ)、風祭(かざまつり)川(がわ)、弓沢(ゆみざわ)川(がわ)、赤淵川支川千束川(あかぶちがわしせんせんぞくがわ)、須津川(すどがわ)、凡夫川(ぼんぷがわ)に着手(ちゃくしゅ)し、沈砂地工(ちんさちこう)や砂防(さぼう)堰(せき)などを中心(ちゅうしん)に整備(せいび)を進(すす)めています。

沈砂地工(ちんさちこう)

富士山野渓(ふじさんやけい)は谷(たに)が狭(せま)く、浅(あさ)いので、地形(ちけい)を掘(ほ)り込(こ)んで堆砂空間(たいさくうかん)を確保(かくほ)し、土砂(どしゃ)や土石流(どせきりゅう)を止(と)める沈砂地工(ちんさちこう)を猪(い)の窪川(くぼがわ)、大沢川(おおさわがわ)、足取川(あしとりがわ)、風祭川(かざまつりがわ)、弓沢川(ゆみざわがわ)に施工(せこう)しています。
土砂(どしゃ)が堆積(たいせき)した場合(ばあい)は除石(じょせき)を行(おこな)います。

【 風祭沈砂地工(かざまつりちんさちこう)】

砂防(さぼう)えん堤(てい)

土石流(どせきりゅう)による河床(かしょう)や渓岸(けいがん)の浸食(しんしょく)を防(ふせ)ぐとともに、異常(いじょう)に土砂(どしゃ)が流出(りゅうしゅつ)しないよう一時的(いちじてき)に貯(た)め、中小(ちゅうしょう)の出水(しゅっすい)でその土砂(どしゃ)を流(なが)す調節効果(ちょうせつこうか)があります。

【凡夫第(ぼんぷだい)1えん堤(てい)】

【須津第(すどだい)3えん堤(てい)】

渓流保全工(けいりゅうほぜんこう)

従来(じゅうらい)の流(りゅう)路(ろ)工(こう)は、河川(かせん)の氾濫(はんらん)や縦断(じゅうだん)浸食(しんしょく)を防止(ぼうし)するために河道(かどう)を直線(ちょくせん)化(か)し、流(りゅう)路(ろ)の固定(こてい)をはかるものでした。現在(げんざい)整備(せいび)を進(すす)めている渓流(けいりゅう)保全(ほぜん)工(こう)は、本来(ほんらい)の河道(かどう)を尊重(そんちょう)し、必要(ひつよう)な個所(かしょ)のみ渓岸(けいがん)を補強(ほきょう)し、樹林(じゅりん)による斜面(しゃめん)の安全(あんぜん)を図(はか)るなど自然(しぜん)景観(けいかん)や環境(かんきょう)に配慮(はいりょ)した工法(こうほう)となっています。

【溜野沢渓流保全工(ためのさわけいりゅうほぜんこう)】

【大久保沢渓流保全工(おおくぼさわけいりゅうほぜんこう)】

次(つぎ)のページでは、大沢扇状地(おおさわせんじょうち)の対策(たいさく)について説明(せつめい)しています。