Q 15:大沢川の土石流災害対策として
    どんなものがあるのでしょうか?

答え: 土石流発生の源である大沢崩れの崩壊拡大の直接的な防止対策は、現在の施工技術、経費、自然環境との調和など解決すべき問題点が多く、現時点では着手することが困難です。そのため、災害防止に直接効果のある扇状地で、流入した土石流を分散・堆積させ、下流への土砂移動を防止し、流水を完全に流下させる流路工の整備を実施しています。地形的に適当なダムサイトがないため、導流堤で人工的に堆砂空間を設け、延長4q、最大幅1.5qに及ぶ大規模な遊砂地を設置しました。
 下図に示すように主な施設には、土石流による河床の侵食を防ぎ既に堆積した土砂を固定させるとともに河床勾配を緩和し土石流を堆積しやすくする床固工群、一度堆積させた土砂の二次流出を防ぐ沈砂地工、樹林の力で土石流を抑制する砂防樹林帯があります。さらに、扇状地に堆積した土砂は、次の土砂災害の原因となるので除石工事を行い、その土砂を土地改良や道路・公共施設の基盤材に利用し、地域づくりを支援しています。  


図-11 大沢扇状地砂防施設配置図