Q11:大沢川の土石流の発生は予測できるのですか?

答え: 富士山では、降雨だけでなくスラッシュ雪崩が土石流の発生に関係していることから、気温の上昇や積雪量、凍土の形成状況等も土石流の発生に寄与します。また、土砂の堆積状況も重要な要因の一つです。このように富士山での土石流の発生には様々な条件が加味されるため、その予測は困難です。

 図は、土石流の発生と連続雨量との関係を見てみたもので、(凍結が少なく降った雨の地下への浸透量が多い)夏期には大雨でも発生しにくい反面、初冬から晩春には100mmほどの雨でも発生しうるという傾向が読み取れます。

 また、大沢川では土石流の実態把握のために、気象観測施設や監視機器を設置してデータを取得したり、航空レーザ計測により移動土砂量も精度よく把握できるようになってきました。さらに、スラッシュ雪崩の発生しやすい気象条件の検討もしており、今後、現象の解明がさらに進めば、土石流の発生予測も不可能でなくなるかもしれません。


図-7 雨量と土石流発生の有無