「富士山ハザードマップ検討委員会」では、過去の現象や近年の他火山の災害事例をもとに、広域的な防災対策の基礎となる「富士山火山防災マップ(試作版)」を平成16年に公表しました。下の図は、その一部です。この試作版を使って富士山周辺の自治体は、それぞれ詳細な火山防災マップを作成し住民に配布しています。

この防災マップで「どこが危険な場所か」、「どこが安全か」を事前に確認しておきましょう。

 富士山火山防災マップ(ハザードマップ)は、富士山において「火口ができる可能性のある範囲」及び噴火した時に「溶岩流・噴石・火砕流・泥流が及ぶ可能性がある範囲」を重ねて示したものです。
噴火前に火口の正確な位置を特定することは困難ですが、図で示した範囲のどこかにできると予想されています。また、噴火した場合には火口の位置により、図に示した範囲に影響が及ぶ恐れがあると予想されています。
(想定された範囲全てに同時に影響が及ぶというわけではありません)

 火山灰被害予想図(降灰可能性マップ)では、江戸時代の宝永噴火(1707年)と同規模・同程度の規模の噴火があった場合を想定し、富士山が噴火した場合の火山灰の想定降灰深と到達可能範囲を示したものです。ただし、噴火の規模及び風向きによる影響で、降灰深と到達範囲は変わるため、この図で示された枠外にも降灰が到達する可能性はあります。

富士山火山防災マップ(ハザードマップ)は、下の図、「火口ができる可能性のある範囲」及び噴火した時に「溶岩流・噴石・火砕流・泥流が及ぶ可能性がある範囲」を重ねて示したものです。
このマップは、土石流の発生する可能性のある場所を示したものです。山の斜面に火山灰が厚く積もると、雨で流されて土石流となります。
このマップは、溶岩流の到達する可能性のある範囲について、溶岩流が最も早く到達する場所を想定して作成しています。


このマップは、火砕流・火災サージ(熱風)が到達する可能性のある範囲について示したものです。火砕流・火災サージが発生・到達する恐れがあるのは、海抜1,000m以上と想定されています。
このマップは、融雪型火山泥流が発生する可能性のある範囲を示したものです。融雪型火山泥流は、火砕流が発生する斜面に雪がある時に、火砕流の熱で雪を融かし泥流となって流下します。

このマップは、火口ができる可能性のある範囲について示したものです。(この範囲の全てではなくどこかに火口ができます。)
このマップは、噴石が届く可能性のある範囲を示したものです。噴石が届く範囲は火口から概ね2km以内と想定されます。